総合内科
INTEMAL MEDICINE
急性虫垂炎(盲腸)
虫垂炎は10代~20代に多い腹痛の原因です。とはいえご高齢の方でも認めることがある病気です。
盲腸と言う右の下っ腹の大腸の部位にぶら下がる「虫垂」というリンパの組織が炎症を起こします。虫垂に炎症を起こすので盲腸と言う病気はなく、虫垂炎という名前になります。
急性虫垂炎(盲腸)の症状
虫垂炎は病気の進行具合により様々な症状を呈します。
典型的な症状の流れは以下のように続きます。
みぞおちの痛み
吐き気
食事がとれない
吐いてしまう
右下腹部への痛みの移動
発熱
ゆっくり進む場合は4-5日ほど症状がある方もいますが、えてして腹痛が強くなってくると転がり落ちるように症状が悪くなります。この病気は、腸が動くと痛みが強くなるので、食事がとれなくなります。
受診するタイミング
お腹が痛くて食事がとれない、歩くとお腹に響く、といった日常生活に支障が出てきたら受診をお勧めします。熱が出たり、お腹が痛すぎたりと、身動きが取れなくなる前に受診して診察を受けましょう。
急性虫垂炎(盲腸)の検査
虫垂炎は出現する症状が時期によりまちまちなので、診断が難しい病気の一つです。
まずは院内での迅速血液検査で内臓に炎症が起きているかを調べます。便秘や食べすぎでは炎症はおきません。
憩室炎や腸炎、腸閉塞、女性であれば卵巣嚢腫の捻転など、虫垂炎の他にも病気はありますので、炎症の所見が強ければCT撮影を含めた精密検査のために他施設へご紹介いたします。
急性虫垂炎(盲腸)の治療
虫垂炎は皆さんご存知の通り手術になることもある病気の一つです。手術するかを決めるのはCTを見る外科の先生ですが、「虫垂炎を疑うのは何よりも内科医の診察」と言われています。「まずはクリニックで先生にお腹を触ってもらう」という過程が大事な病気です。
大腸憩室炎
「憩室」は大腸の壁がポッコリと外側に飛び出てこぶ状になった状態です。腸の内側から見るとク―レーターのようにへっこんでおり、その凹みに糞便や残差物が貯留することが原因と言われています。
憩室炎のリスクとしては、食物繊維の摂取不足、赤身肉の過剰摂取、肥満、喫煙、運動不足、飲酒、痛み止めの使用などがあります。
大腸憩室炎の症状
右側の大腸に炎症が起こりやすく、虫垂炎と紛らわしい病気です。近年では左側の大腸(S状結腸)にも起こることが増えています。お腹の左側にあるS状結腸は細いため、腸の内圧が上がり炎症を起こしやすいためです。
大腸憩室炎の検査
憩室「炎」なので炎症が起きます。憩室自体は小さいので、そこからどこまで炎症が波及しているかによって痛みの出る範囲は変わります。
まずは院内での迅速血液検査で内臓に炎症が起きているかを調べます。炎症の所見が強ければCT撮影を含めた精密検査のために他施設へご紹介いたします。
大腸憩室炎の治療
大腸憩室炎の治療は①食事を止める(絶食)②抗生物質を投与する③安静にするの3本柱です。虫垂炎との最大の違いは、よほど炎症がひどい時にしか手術はしないという点です。
炎症の範囲は小さく、軽症であればクリニックで外来通院いただいて経過を見ることも可能です。ご高齢の方や、あまりにも痛みの範囲が広く強い方、飲水ができても絶食に耐えられない方は、入院での治療をお勧めいたします。