恵比寿クリニック

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総合内科

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INTEMAL MEDICINE

便の色がおかしい(黒色便・血便・白色便)

便の色は内臓の病気を反映することがあります。正常な色は茶褐色です。問題の時は以下の3つの場合です。

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便が黒い(タール便)

考えられる病気:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、鉄剤の内服

便が真っ黒になった時に一番心配すべきは消化管潰瘍です。胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍といった口に近い部位の消化管の出血を示唆します。お腹が痛いこともあれば痛くないこともあります。食事も普通に食べられることもありますので、トイレへ行って初めて、便の色がおかしいことに気づくことが多いです。

貧血(鉄欠乏性)の診断で鉄剤(フェロミア®、フェロ・グラデュメット®、インクレミン®)を処方されている患者さんでも起こりえますが、それ以外の方では基本的には胃や十二指腸と言った上部消化管出血を疑います。

便の色だけではどれほど出血しているかは分かりません。まずは医師の診察と検査を受けることが必要です。黒色便で受診いただいた方へは以下の検査をしています。

①   貧血を起こしていないかヘモグロビン(Hb)を測定する
②   出血により血圧低下や脈拍上昇など体に負担がかかっていないか評価する
③   必要ならば出血源の特定のために内視鏡検査(胃カメラ)を行う

受診の際に大切なことは「食事をしないこと」です。食事や飲水をすると、胃や腸が動き出すため、より出血をきたしてしまいます。出血が長く続くと貧血症状が強く出て失神することもあります。また胃カメラなどの検査も行いにくくなり、結果として診断と治療が遅れることになります。黒色便を見たら、食事をすることを止めて早急に受診をご検討ください。

便が赤い(鮮血便)

考えられる病気:痔核出血、大腸からの出血(感染性腸炎・虚血性腸炎、憩室出血)、大腸癌、ポリープ切除の後

便が赤い時は、二つのケースが考えられます。一つ目は、うんちだけが明太子のように赤くなり、血液を付着している状態。このケースでは出血は少量であり、痔やポリープと言った部分からのわずかな出血のことが多いです。二つ目は、便器の中の水がすべて真っ赤になっている状態です。当然こちらの方が出血量は多く、出血の場所はわからないため、見た目以上に腸の奥で出血しているケースもあります。後者のケースでは出血の程度と原因を早急に特定する必要があります。

病気の見分け方としては以下のように考えます。

(A)お腹が痛い=感染性腸炎、虚血性腸炎
(B)お腹が痛くない=大腸憩室出血、大腸癌、ポリープ切除後

大事なことは(A)(B)どちらであっても「血便が続く場合は入院になる」ということです。(A)感染性腸炎や虚血性腸炎で軽症のケースでは入院にはなりません。出血が止まらないということが少ないからです。しかし(B)憩室出血、大腸癌、ポリープ切除後では入院してしかるべき処置をとらねば、出血は止まらないことが多いです。原則として食事をとらず、点滴を開始し、安静にしている必要があるため入院します。鮮血便はお腹が痛くなければ安心と言うわけでもないことが難しいポイントです。
当院では近隣の大学病院、総合病院と連携しております。入院が必要な状態であれば、速やかに受診の手配をいたします。

便が白い(白色~レモン色の便)

考えられる病気:閉塞性黄疸、肝不全、ロタウイルス感染症、バリウム検査の後

ロタウイルスに代表される感染性腸炎の一部では白色便が出ることがあります。バリウムも一度受けたことがある方はご存知ではないでしょうか。口から飲んだバリウムが便になって出てきます。

便が白い~レモン色の場合には、肝臓と胆管の異常を考えます。便が茶色いのは胆汁が混じっているからです。肝炎から肝不全を起こすと肝臓で胆汁が作られなくなり、胆管が石や腫瘍で詰まると胆汁が腸に排泄されなくなります。どちらも多少の食欲不振や上腹部の不快感や胸やけ症状が出るくらいで、激しい腹痛や熱が出るわけではありません。

このように便の色は内臓の様々な不調を教えてくれます。うんちをしたら一度はのぞくようにしていただけると幸いです。当院では毎日消化器の専門医が外来をしております。うんちの色がおかしいと思ったらいつでもご相談ください。流す前に写真を撮っていただけると、病気の診断のために大変参考になります。









 


















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